不完全性定理
- 不完全性定理は、数学的な体系が一定の条件を満たす場合、その体系自体では全ての真実を証明することはできない
- 別の言い方をすると、無矛盾であれば完全であることは不可能であることを証明した
不完全性定理と第一原理の関係性
- 不完全性定理は、数学や論理体系における「第一原理」の限界を示している
- どれだけ基礎的な公理や前提を設定しても、それらだけでは体系内の全ての真実を捉えることはできないという事
用語
無矛盾(Consistency)
- 無矛盾とは、ある体系が内部的に矛盾しない状態を指す。
- 具体的には、その体系の公理(基本的な前提)から導かれる命題が、
- 矛盾する命題(例:「A かつ 非 A」)にならないような状態を指す。
- 無矛盾であれば、体系内で信頼性が保たれ、その上でさまざまな理論構築や計算が可能になる。
完全性(Completeness)
- 完全性とは、ある体系が「全てを網羅している」という性質を指す。
- 論理学や数学の文脈では、特定の体系が全ての「真」な命題を証明できる場合に、
- その体系は「完全である」と言う。
- 具体的には、体系の公理から、体系内の任意の真の命題が導出(証明)できる状態を指します。
Python 風に考えると
def provable(statement) -> bool:
# この関数は、与えられた「statement」が証明可能であればTrue、そうでなければFalseを返すと仮定
pass
def G() -> bool:
return not provable(G)
-
G
は命題 -
この例では、関数
G()
は、自分自身(G)
が証明可能であればFalse
を、証明不可能であればTrue
を返すようになっている。 -
G()
がTrue
を返す場合(証明不可能な場合)- その結果自体が
G()
が真である(つまり、証明できないという命題が真)ことを示している
- その結果自体が
-
G()
がFalse
を返す場合(証明可能な場合)、- その結果自体が
G()
が偽である(つまり、証明できるという命題が偽)ことを示している - この場合、体系は矛盾しています。
- その結果自体が
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10 分で分かるゲーデルの不完全性定理 ~ いまさら聞けないコンピュータサイエンス【連載第1話】|藤田肇(Hajime Fujita)